耐力壁:(11110043)

壁倍率、耐力壁線間隔の基準、存在壁倍率の検討の制限について設定します。

壁倍率

「耐力壁自動配置」を行う際の外部面材、筋違、内部面材をそれぞれのリストから選択します。それぞれ壁倍率の値が右横に表示されます。また、「材質編集」では、ユーザー定義として任意の面材を登録することができます。

雑壁(準耐力壁)の壁倍率

雑壁(準耐力壁)の壁倍率は、「天井高・横架材」で設定されている各高さに基づき算定されますので、影響する階高・床高・天井高を変更した場合は、「天井高・横架材」を確認の上、各高さを変更してください。

耐力壁線間隔の基準

以下の3つから耐力壁線間隔の基準を選択します。

耐力壁線とは、地震または風により建物上部から伝わってくる水平力を建物下部に十分伝達できるよう、一定量以上の存在壁量がある通りをいいます。床倍率のチェックを行う際の床区画を挟む線として用います。隣り合う耐力壁線間距離を指定することができます。

  • 8m         :8m以下(初期設定)。
  • 12m       :12m以下。靭性のある壁(筋違を用いない壁)だけでつくられた住宅の場合。
  • 自動切替:筋違の有無で基準を自動判断します。筋違がある場合は8m以下、筋違がない場合は12m以下と自動判断します。
耐力壁線とは

建物の水平力(地震や風による横からの力)に対抗するための耐力壁が配置された仮想の線を指します。

耐力壁線の目的と役割

耐力壁線の設定は、建物が横からの力を受けた際に、どの位置でその力を支えるかを把握するために行います。各階ごとに建物の横方向や縦方向に仮想の線を引き、その線上に耐力壁が配置されているかどうかを確認します。これによって、地震や風圧が作用する際に建物がどのように力を分散し、支えられるかが計算可能になります。

耐力壁線と壁量計算の関係

壁量計算では、各耐力壁線に沿って配置された耐力壁の強度(壁倍率)を合計し、建物が必要な耐力を満たしているか確認します。この計算では、各耐力壁線上の壁倍率を合計し、建物の各方向で必要な壁量を満たしているかどうかを評価します。

隣り合う耐力壁線間距離の意義

床は、建物の揺れを抑制し、地震や風の力を受け流す役割を果たします。しかし、耐力壁同士の間隔が広すぎると、床が水平力を十分に支えられなくなり、地震時に建物が大きく揺れたりねじれたりしやすくなります。これを防ぐために、隣り合う耐力壁の間隔には一定の上限が設けられています。

存在壁倍率の検討の制限

壁倍率の最大値を5.0とします。解除する場合はチェックを外してください。

存在壁倍率の上限

建物に配置される耐力壁の壁倍率が高くなりすぎると、計算上では安全と見なされる一方で、実際の建物の挙動や安全性が計算通りにならないことがあります。そのため、建築基準法では存在壁倍率の上限を設けており、特定の壁倍率を超えて耐力壁としてカウントできないようにしています。

木造住宅の例

一般的に、1つの壁についての壁倍率は5.0倍までとされています。つまり、壁倍率が5.0を超える壁が存在しても、計算上は最大5.0としてカウントされます。